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食品の放射能汚染-最新状況の概要(2011/7) -2011年07月29日
どこまでの放射能汚染なら許容できるかは、人それぞれの状況や考え方によります。
国の定める暫定基準値を満たしていればいいという人であれば、出荷制限されていないものなら問題はないということになります。
ただしそのような人にも頭に入れておいていただきたいことは、以下の通りです。
・現在の暫定基準値は、非常時のための高い数値までを許容する基準となっていること。
・大気・地面からの放射線量は、原発事故前の2倍以上に高止まりしており、外部からの被ばく以外に、飲食等による内部からの被ばくを受ける状況であるため、平常時以上に食べ物に気をつける必要があること。
・ヨウ素131、セシウム134、セシウム137以外の検査はほぼ行われていないこと。
・野菜、魚などは、販売されている状態ではなく、水でよく洗い、さらに細かく刻んだ状態で、つまり放射性物質を相当程度減らした後の状態で測定していること。
・測定をしているのは流通量のごくわずか一部であり、実際には同じ地域・同じ種類の作物でさえ数値にバラツキがあること。
当サイトでは、上述した注意点の裏返しとして、暫定基準値は単に出荷してもよいという基準にすぎず、より厳しい基準を採用するべきであり、特に検査体制が不十分であるうちは、疑わしいものはできるだけ避けるという考え方にたちます。
水
水道水については、原発に近い地域以外では、セシウムの検出は検出限界未満となってきています。
ただし、雨が降った後などに、微量のセシウムが検出されていることがあります。
7/2に東京でも0.14ベクレル/kgとごく微量を検出。北関東地域などではもう少し大きい濃度で検出される日があります。
これらの点を考慮すれば、原発に近い地域である程度の濃度が検出される場合を除き、水道水は基本的には安全圏にあると判断いたします。
そのうえで、何らかの理由でセシウム等が検出された場合に備え、一定量の水を備蓄しておく意味はあると考えます。
穀物
小麦、大麦からは、関東各県でも数十ベクレル前後のセシウムが検出されており、野菜と比較しても汚染度は高い傾向にあります。
麦以外の穀物については、今後の動向を注視する必要があります。
野菜
新たな放射性物質の大量放出がない限り、ヨウ素131については問題がなくなりました。
現在はセシウムが特に問題となりますが、土壌中のセシウムはほとんど減っていないにもかかわらず、多くの野菜からはセシウムがほとんど検出されなくなってきています。
その理由は家庭菜園についてのページに詳述しましたが、土とセシウムが固着したため、作物がセシウムを吸わなくなったことが考えられます。
セシウムについていえば、これまでに検査が繰り返された大半の主要な野菜については、関東地方のものでも基本的には問題ないといえます。
ただし、下記の「特に要注意なもの」、あまり測定されていない種類については、問題ないとも言えません。
一方、原発から60km離れた栃木県などでも微量ながらストロンチウムが検出されていること、プルトニウムなどセシウム以外の測定結果がなく、あっても微量である可能性は高いが、不安が解消されていない状況では、以下の考え方ができます。
セシウムの濃度などからの推定で、それ以外の放射性物質が一定程度来ている可能性としては、関東地方でいえば、栃木県北部、群馬県北部、茨城県北部などがありえます。
どこまでの範囲で避けるべきかは、人それぞれの状況や考え方によるもので、より安全と思われる地域のものを入手できるのであればその方が望ましいことも当然です。
当サイト管理者は実際には、念のため、上記よりもさらに慎重に考えています。
魚介類
淡水魚は、関東地方全域・宮城県あたりでは、暫定基準値すら超えてしまう可能性がかなりあります。特にアユなどが要注意です。淡水魚については、海水魚の10倍以上のセシウム濃度があるというのが実感です。その理由としては、海水はそれなりに拡散してしまうか、深く沈んでしまうのに対し、淡水では山や森や畑の水を集めてくるから、さらに海と違い水の量が小さく、溜まりやすいからといえます。
お茶が静岡でも高濃度で、さらに遠くでも検出されるように、淡水魚については関東地方より西などでも検出される可能性があります。
要注意なものほど、より原発から離れた地域を選ぶという考え方が必要になるでしょう。
海水魚で要注意なのは、底に生息する魚ほど高濃度にセシウムが検出されることです。カレイ、ヒラメ、アイナメ、カサゴ、メバル、ソイ、ホウボウ、その他検査結果にはなくても、ハゼ、キス、アンコウ等々が特に注意が必要と思われます。お腹が平べったくなっている魚はたいてい、底に棲む魚です。
また、コウナゴ、イワシなどの小魚は初期から高濃度汚染がありました。
徐々に大型魚の数値も高くなってきた傾向があります。
カツオなどの回遊魚は、まだ低濃度ではありますが、原発近くの海域に回遊してきて、汚染された小魚を食べているうちに、今後は濃度が高くなっていく可能性があります。
セシウム以外にも、海にはストロンチウムが検出されているものの、検査結果がきわめて少なく、この点を特に慎重に考える必要があるでしょう。
さらに、海産物の産地に関しては、実際に捕れた海域ではなく、水揚げした港のある都道府県が”産地”になってしまうケースがかなり多く、この表示方法が改善されない限り、消費者としてはより慎重に考えざるをえません。
通常であれば千葉から三陸までを注意すればいいと考えたとしても、たとえば静岡など東海地方に水揚げしているのではないかと考えてしまいます。
肉・牛乳
牛肉は、餌の安全性によって検出結果が大きく異なり、稲わらや牧草の汚染によっては極めて高濃度に検出されるおそれがあります。
豚肉・鶏肉については比較的低濃度の検出結果ですが、今後のニュースには注意が必要です。
牛乳については牛肉よりは危険性はやや低く、乳製品は牛乳よりは危険性は低くなります。
これらは、水や餌に何を使用するかの影響が大きいと思われます。
牛肉をはじめとする肉・牛乳の問題点は、汚染された餌が全国各地に移動したり、牛そのものが移動したりすることです。
このため、単に産地によって安全性の判断をすることが難しくなっています。
特に要注意なもの
牛肉、きわめて要注意。
淡水魚、きわめて要注意。
海藻、きわめて要注意。
タケノコ、きわめて要注意。
シイタケなどのキノコ、きわめて要注意。ただし工場生産のまいたけ、エリンギなどは安全性がかなり高い。
茶、きわめて要注意。お湯を注げば薄まるとはいうが、日常的に飲むものであること、野菜のように洗えないことを考慮。
牛乳、要注意。
豚肉・鶏肉については今後の動向に注意。
海水魚のうち、底に生息する魚、要注意。その他の海水魚についても注意。
梅、要注意。
山菜、要注意。検査結果が少ないこと、山林の除染は困難なことを特に考慮。
シソ、要注意。
ハーブ類、注意。検査結果がほとんどなく、不明。
ブルーベリー、注意。
今後、新たな作物についての検査結果に注意。
コメ、どうなるか。土壌とセシウムが固着してしまう畑と違い、常に水が流れ込む田んぼでは、放射性物質が溜まりやすく、野菜とは違う結果になる可能性あり、注意。
エダマメなど豆類、比較的、放射性物質を取り込みやすいとされており、注意。
イモ類、比較的、放射性物質を取り込みやすいとされており、注意。
果物について、野菜と同等か、種類により野菜よりやや危険性が高い可能性あり。

上記の表において、各県部分に配置した丸は、事故が発生した福島県をもっとも汚染度の高い赤としております。事故発生前と変化がないものを青(図中にはありません)とし、その間を水色から緑、黄緑、黄、オレンジ色までの各色で評価しております。
あくまでも相対的な評価をしているものであって、どこが安全・危険という絶対的な評価を示すものではありません。
また、同じ都道府県内であっても、地域によって、また食品の種類によって、安全度のレベルは大きく異なる場合がありますが、産地表示において単に都道府県名のみが表示されることが多いため、安全性の面からより慎重に勘案しております。
※当サイトでは、商品紹介は原則として水色のものまでとし、当サイト管理者自身は、他に選択の余地がなければ濃い緑色あたりまでは許容しますが、より安全そうなものを選びます。
加工食品
原材料の産地、製法などにより個別に判断するしかありません。
輸入食品
海外産のものだからといって、安全であるとは限りません。放射能検査は、東欧地域のベリー類、キノコ類など、特定地域・特定種類の物を重点的にサンプル検査し、それ以外のものはほとんど行われていません。また現地の情報はほとんど入りません。
当サイト管理者の感覚でいえば、ヨーロッパ産よりも西日本産の方が今日の時点でも安心できます。
食生活
国内の放射性物質に過敏になりすぎるあまり、たとえば、過剰に野菜を避けるあまり、野菜が本来もつ抗酸化成分を摂取できず、結果としてかえって病気になるリスクを高めることになってしまう人がいるのではないかと感じられます。
各地および海外の動向
当ページ(食品の放射能汚染-最新状況の概要)に記載している評価は、定期的に、また原発事故の経緯や測定データの追加により不定期に見直しを行います。
前回の記載以降の各地および海外の動向の主なものを下記に記載しております。
汚染牛、栃木など4県で6頭…福島以外で初読売新聞2011/7/22
「栃木、岩手、宮城、秋田県は22日、各県の農家から出荷された肉牛計6頭の肉から暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。
厚生労働省などによると、これまで規制値を上回った肉牛はいずれも福島県産の30頭。これで5県産の36頭になった。」
茨城、汚染疑い牛78頭出荷=栃木、茨城産わらも規制値超え時事通信2011/7/25
「茨城県は25日、県内の畜産農家7戸が牛に与えていた茨城、宮城両県産の稲わらから、水分補正後の数値で国の暫定規制値(1キロ当たり300ベクレル)を超える1682~1万4545ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。このうち4戸から、5月9日以降に計78頭が出荷されていた。
一方、栃木県は25日、那須塩原市の畜産農家が牛に与えていた同県産の稲わらから、水分補正後で2万4146ベクレルのセシウムを検出したと発表した。この農家が出荷した3頭の肉からは、暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えるセシウムが検出されており、県は全畜産農家1890戸を対象に、1戸につき1頭の肉の放射性物質の検査を行うことを決めた。
茨城、栃木両県産の稲わらが規制値を超えたことが確認されたのは初めて。また、同日はセシウム汚染の疑いのある牛の出荷が福島県で28頭、岐阜県で51頭確認され、疑いのある牛を出荷したのは北海道から島根まで15道県に達し、頭数は2900頭を超えた。汚染の疑いのある牛は、沖縄を除く46都道府県に流通している。」
茨城産麦、暫定基準値下回る産経新聞2011/6/29
「茨城県農林水産部は28日、初めて県産麦の放射性物質の検査状況を発表した。県内13市町で採取された二条大麦は放射性セシウムは1キロ当たり31~250ベクレル、14市町村で採取された六条大麦は同9~114ベクレル、行方市で採取されたはだか麦は同160ベクレルで、いずれも暫定基準値の同500ベクレルを下回った。6月1~20日に採取分を日本食品分析センターで検査した。」
北海道産タラから基準値以下セシウム、韓国食品当局聯合ニュース2011/7/7
「【ソウル聯合ニュース】農林水産食品部は7日、北海道地域で製造された冷凍タラからセシウムが検出されたと発表した。検出量は1キログラム当たり40.3ベクレルで、許容基準値(370ベクレル)の11%水準だという。
先月30日にも同地域から輸入された冷凍タラから基準値以下のセシウムが検出されている。農林水産食品部によると、原発事故が発生してから日本から輸入された冷凍海産物は104種、1580点(5956トン)。このうち放射能物質が検出されたのはホタテ1件と冷凍タラ2件で、いずれも基準値以下だった。」
シロメバルからセシウム=福島時事通信2011/7/6
「厚生労働省は6日、福島県いわき市沖で取れたシロメバルから、食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える3200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。シロメバルから放射性物質が検出されたのは初めて。同県では漁業協同組合がすべての漁を自粛しており、シロメバルが市場に出回ることはないという。」
<放射性物質>肉牛から基準超すセシウム 南相馬から入荷毎日新聞2011/7/9
「東京都福祉保健局は8日、福島県南相馬市の緊急時避難準備区域から中央卸売市場食肉市場(港区)に入荷した肉牛11頭のうち1頭の首の部位から、放射性セシウムが1キログラム当たり、食品衛生法の暫定規制値(500ベクレル)を超える2300ベクレルが検出されたと発表した。食肉から規制値以上の放射性物質が検出されたのは初めて。」
静岡産の規制、正式決定=新潟、山形は解除-EU時事通信2011/7/4
「【ブリュッセル時事】フランスの空港で6月、静岡県産の緑茶から基準値の2倍を超す放射性物質が検出された問題で、欧州連合(EU)は4日、緑茶を含む同県産食品全般に対する輸入規制の強化を正式決定した。7月中に発効する見通し。
福島第1原発の事故後、EUは福島や東京など13都県産食品を対象に、放射性物質の検査証明書を添付するよう求めている。4日の決定でEUは、静岡を対象地域に加える一方、新潟、山形両県の指定を解除した。
これでEUの指定地域は福島、群馬、茨城、栃木、宮城、長野、山梨、埼玉、東京、神奈川、千葉、静岡の12都県となる。次回見直しは9月。」
マレーシアが日本食品の輸入規制緩和日刊スポーツ2011/7/4
「農林水産省は4日、マレーシアが福島第1原発事故を受けて導入した日本食品への輸入規制を1日から緩和したと発表した。日本側からは産地証明を提出するだけで輸出できるようになった。
福島、群馬、茨城、栃木、宮城、神奈川、埼玉、千葉の8県で収穫・加工された食品は、マレーシア側が自ら全量検査を実施する。」
