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風評ではないのか -2011年06月06日
今回の事故が起き、水道水、野菜等にヨウ素131をはじめとする放射性物質が検出された3月中旬以降、「食べても問題ありません」、「ただちに影響はありません」、「これだけ食べてもレントゲン1回分程度です」といった”安全”の大合唱となり、違和感を持った人が多いことでしょう。
数々の出荷制限、摂取制限を経て、少しずつ出荷制限解除などもはじまりました。
政治家が野菜を食べるパフォーマンスや、被災地支援キャンペーンなども行われました。
被災地の農家、牧場主、両氏たちのことを思うと、この話題はとても書きづらい点があるのですが、”風評”という言葉にも違和感があります。
”風評”とは、事実でもない(根拠のない)噂が流布されることで、そのことにより食品が売れなくなって損失を被ることが”風評被害”なのだろうと思います。
当サイトの基本的な姿勢としては、”風評”でない”事実”を明らかにすることにより、正しい情報が開示されたうえで、消費者が選択できるようにすることです。
このためには、原発事故で放出され、食品を汚染した放射性物質の種類、量(濃度)、これらの情報を、長期的かつ定期的に開示することが必要です。
ところが、現在の問題点としては、ヨウ素131、セシウム137の2種類か、あとはせいぜいセシウム134が測定されるだけで、それ以外の放射性物質の情報がありません。
各所のデータによれば、セシウム135,136、テルル129といった放射性物質が相当程度に測定されているようですし、濃度は低いながらもより危険なストロンチウム90、プルトニウムなどが原発から30キロ圏外においても観測されていることです。
これらを含めれば、公表されている数値の放射性物質の2倍あるいは3倍が、野菜や魚などに含まれていてもおかしくはありません。
次に、検査方法について、実際に売っている状態で測定しているのか、何か処理をしてから測定しているのかが、明らかではありませんでした。しかしこの点については判明してきています。
野菜類については、
「試料はあらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし*3、機器校正で用いたものと同様の0.5~1L 程度のタッパー容器又は2L マリネリ容器に入れて検出器を容器に密着させて測定する。」
[PDF] 緊急時における食品の放射能測定マニュアル
魚介類についても、前処理を行ってから測定する。

試料の採取及び調製方法について
これを知らないで、魚を丸ごとから揚げにしてしまったりすると、放射性物質が蓄積されやすい骨、ヒレ、内臓などを食べてしまうことになりかねません。
牛乳についてはもっと不透明です。
原乳の放射性物質、基準値下回る 福島(産経新聞2011/4/9)
「福島県は8日夜、福島第1原発事故を受けて、7日に実施した原乳の緊急時モニタリング検査(4回目)で、放射性ヨウ素、セシウムが暫定基準値を上回った検体はなかったと発表した。
県によると、今回から検査方法を改め、前回(3月29日)に暫定基準値を下回った市町村の原乳は戸別検査をせず、県内10の乳業メーカーなどが、他の市町村産と混ぜた後の原乳で測定した。
県は、約1週間後に予定する次回検査で、基準値を上回らなければ、国と調整して出荷制限を解除していく構えだ。」
ところで、原発周辺の被災地の野菜を買うことが、本当に支援になるのでしょうか。
支援をして買ってあげると、せっかく苦労して育てた作物を買ってもらえる農家の方々は嬉しいことでしょう。だからこの問題はとても文章に書きづらいのです。
しかし、支援のつもりで買ってあげると、賠償しなければならない電力会社や、電力会社を支援する必要が出てきそうな国が喜ぶのも間違いありません。
こうした支援をしなかった場合でも、電力料金や税金の値上げで結局は支払う立場になるのだとしたら、どうでしょうか。
少なくとも、きちんとした検査をしたうえで、正しい情報が開示され、健康に問題ないと判断できた消費者が支援する分にはいいのでしょうが、その点が怪しい場合には、少なくとも子供たちなどを巻き込まない方がいいのではないでしょうか、という考え方もできます。
最後に記事を一つ紹介しておきます。
福島産野菜「買って支えよう!」に地元民から異論も(東京スポーツ2011/5/20)
「(前略)先日、福島第1原発のある大熊町から避難してきて、会津へ移ることを考えているという若い女性が都民らにこう呼びかけた。
「食べて応援するのではなく、お金で補償してもらえるように応援していただければというのが、福島からの私の願いです」
真意を尋ねた。
「500ベクレルの規制値(水や乳製品を除く野菜類など1キロあたりの放射性セシウムの線量)以下(の農産物)といっても、仮に499ベクレルだったら、どう違うのか。規制値以下のものが、実際にいくつ(の放射線量)なのかが分からないことには…。子供については、水と牛乳(および乳製品)が大人(の規制値)と違うだけ。野菜も、大人と子供で分けなければ。農家の方も、補償がない(不十分という意味)から(作物を)つくるという部分もあると思う。今年1年は『福島のものはごめんなさい』ということで、ほかの地域の食料を分け合うべきではないか」
政府や自治体の食品モニタリングが少ない中、農産物などの放射能汚染の詳細な実態は分からない。しかも、放射性物質への感受性が大人より高いと言われる子供向けの規制値は、放射性ヨウ素について乳児に対する「飲料水、牛乳・乳製品」の分野でしか設けられていない。こうした現状が改善されない限り、福島産野菜を買わないのも“やむなし”。むしろ、いまだ明確な形が見えてこない、東電や政府による補償を早急に進めてもらいたいという見解だ。」
