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(独)放射線医学総合研究所において実施した福島県民の内部被ばく調査結果の概要について -2011年07月30日

(独)放射線医学総合研究所において実施した福島県民の内部被ばく調査結果の概要について[PDF]平成23年7月28日原子力被災者生活支援チーム
1.調査の目的
今回の調査は、福島県が主体となって実施する「県民健康管理調査」事業の一環として実施されたもので、1)線量が高いと思われる地域住民の内部被ばく線量の推定 および2)尿の測定により、ホールボディカウンタ(WBC)を受けるカットオフ値の検討を目的として、6月27日から7月16日まで、(独)放射線医学総合研究所において実施されたもの。
2.測定の対象者
浪江町90人、飯舘村20人、川俣町(山木屋地区)12人、合計122人
(今回示す結果は、7月10日までの109人)。
3.測定項目
ホールボディカウンターと尿のバイオアッセイ法によるセシウム134、同137及びヨウ素131。
4.結果の概要
(1)セシウム134は109人中52人(47.8%)に検出され、そのうち最高値は3,100 Bqであった。その他は検出限界以下であった。
(2)セシウム137は109人中32人(29.4 %)に検出され、そのうち最高値は3,800 Bqであった。その他は検出限界以下であった。
(3)セシウム134と137両者ともに検出された者は109人中26人(23.9 %)であった。
(4)尿のセシウムは、ほとんどの方が検出限界以下であり、WBCによる線量との相関ははっきりしない。
(5)ヨウ素131は、全て検出されなかった。
今回の調査は、内部被ばくが他の地域に比べ、高い可能性がある地域の住民を対象に行ったが、セシウム134及137による内部被ばくについては、合計しても1 mSv未満であり、相当に低いと評価できる。
以上
内部被曝による放射性物質の体内への蓄積 -2011年06月14日
チェルノブイリ原発事故は、旧ソ連やヨーロッパの大気、土壌、水を汚染し、それが食物を汚染し、人間の体内にいろいろな経路から入り込みました。
下記のグラフは、事故後の、都市別の人体中のセシウム137の濃度を示します。
数ヶ月たっても、食べ物や水、空気中からの内部被曝により、セシウム濃度が上がり続けました。
内部被曝の8割前後は、食べ物を通じてのものだといわれています。もちろんこれには地域差や個人差があります。

(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」60ページ(七つ森書館)2011)
「放射線物質の長期的動向
セシウム137の濃度に基づく放射能汚染地域事故の直後においては健康への影響は主に半減期8日の放射性ヨウ素によるものだった。今日では、半減期が約30年のストロンチウム90とセシウム137による土壌汚染が問題になっている。最も高いレベルのセシウム137は土壌の表層にあり、それが植物、昆虫、キノコなどに吸収され、現地の食糧生産に入り込む。最近の試験(1997年頃)によると、この区域内の木の中のセシウム137のレベルは上がり続けている。汚染が地下の帯水層や、湖や池のような閉じた水系に移行しているといういくつかの証拠がある(2001年、Germenchuk)。雨や地下水による流去は無視できるほど小さいことが実証されているため、消滅の主な原因は、セシウム137がバリウム137へ自然崩壊したことによるものと予想されている。」
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Isotopeshareofgammadosewith20cmconcreteatchernobyl.png
放射性物質の減衰予想グラフ。縦軸が残留濃度 横軸が経過年数
今回の福島第一原発事故では、放射線医学総合研究所が、原発事故後の3月25日に「甲状腺等価線量評価のための参考資料」と言う内部被曝に関する資料を出していたといいます。
「これは、ヨウ素やセシウムなどの放射性物質を体内に取り込んでおきる「内部被曝」についての資料で、「3月12日から23日までの12日間、甲状腺に0・2μSv(マイクロ=1000分の1ミリ)/時の内部被曝をした場合」(甲状腺等価線量)、どうなるかを示している。
そのデータは、恐るべきものだった。
「1歳児(1~3歳未満)→108mSvの被曝」
「5歳児(3~8歳未満)→64mSvの被曝」
「成人(18歳以上)→16mSvの被曝」
なんと、たった0・2μSvの内部被曝をしただけで、乳幼児は100mSv超に相当する、大量被曝をしたことになるという。」
捨てられた日本国民(現代ビジネス2011/6/8)
ここで、食べ物による内部被曝に注意しなければならないわけですが、興味深いデータがあります。
西ドイツの高濃度汚染地帯では、チェルノブイリ事故後に乳幼児の死亡率が30%増加したといわれるほどの影響が出ました。食べ物に注意していても放射性物質を取りこんでしまうことは避けられなかったものの、注意した人と、特に注意をしなかった人とでは、セシウムが体内に蓄積する速度が明らかに違ったというものです。
下記のグラフがそのことを示しています。これは、旧・西ドイツのハンブルグで1987年に報告されたデータです。

当サイトで、食品の暫定基準値を満たしているかどうかにかかわらず、なるべく汚染のない食品を選びたいとしている理由です。
大気、水、食品などを通じて、あらゆる経路から放射性物質を取りこんでしまう恐れがある以上、トータルの数字を下げるためには、必要以上とも言えるほどに気をつけても損はないと思うからです。
チェルノブイリ原発事故の日本への影響 -2011年06月14日
チェルノブイリ原発事故は、遠く日本への放射能の雲と雨をもたらしました。
下の地図は、日本でのセシウム降下量を示すものです。

(小出裕章「放射能汚染の現実を超えて」149ページ(河出書房新社)2011)
大気や土壌・原子力発電所などの体の外部にある放射性物質から、放射線を受けることを外部被曝というのに対し、放射線を出す放射性物質そのものを体の中に取り込んでしまうと、内部の至近距離から放射線を浴び続けることになります。これを内部被曝といいます。
チェルノブイリ原発事故当時、日本にも放射性物質が降り注ぎました。
ただ、内部被曝の原因としては、呼吸などによって放射性物質を取りこんでしまうことのほか、食品を通じて摂取してしまうことなど、多様なルートが考えられます。
いずれにしても、当時、母乳からヨウ素が検出されるなど、日本でも内部被曝があったことは明らかです。
「日本ではどうか。母乳からヨウ素が出てきました。市販の牛乳からも検出されました。早速政府は国内に安全宣言を出しました。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 130ページ)

(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 131ページ)
半減期の短いヨウ素が検出されたということは、大気を通じての被曝だったのかもしれません。
その後の食品による放射性物質の体への取り込みは、セシウムによるものが大半でした。
今回の福島第一原発の事故でも、福島だけではなく首都圏でも、母乳からセシウムが検出されています。
セシウムなどの降下量は圧倒的に今回の事故の影響の方が大きいと考えられます。
