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輸入食品の汚染の実態 -2011年06月15日

不十分な検査体制ながらも、税関での検疫により、地域・品目を絞ってのサンプリングによる放射能検査が行われています。
輸入食品の違反の基準は、370ベクレル/kgです。
2000年代に入ってからも、東欧のベリー類、キノコ類で、これを超えるものが見つかっています。

ところが、ほとんどが書類審査で、疑わしいと思われる地域・品目のものであっても、実際に食品のモニタリング検査がされるのは一部です。
結果として、汚染された食品が普通に流通しているのが現実です。

この流通している輸入食品を、調査した報告がありますが、その内容が驚くべきものでした。平成20年度の調査です。

他のサイトへ輸入食品中の放射能濃度(平成20年度)[PDF](東京都健康安全研究センター研究年報 第60号 別刷 2009)

「平成20 年4 月から平成21 年3 月までに東京都内に流通していた輸入食品等で,食品監視指導課及び広域監視課が購入した329 試料を用いた。」

すなわち、税関をすり抜けて、既にお店の店頭に並んでいるもの、329品目を検査したわけです。

調査結果はというと、
「調査結果を放射能濃度段階別に分類し,それぞれの放射能検出試料数を表1に示した.50 Bq/kgを超えたものは8試料(全試料に対する検出率,以下同様:約2.4%)であり,そのうち,201~370 Bq/kgは1試料(約0.3%),101~200 Bq/kgは3試料(約0.9%),51~100 Bq/kgは4試料(約1.2%)であった.
なお,放射能濃度が50 Bq/kg 以下のものは321 試料(約97.6%)であった.」

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50 Bq/kg 以下のものは321 試料(約97.6%)とありますが、微量でも検出されているのかどうか、ここの実態が知りたいところです。
50ベクレル以上のもので8品目あります。

品目別にみると、
「調査した食品を14 群に分類し,表2 に示した.その内訳は,野菜・果実・その加工品群が99 試料(全試料の約30%),食肉・食肉製品群が52 試料(16%),香辛料・ハーブ類群が49 試料(15%), 乳・乳製品群が34 試料(10%),ジャム・マーマレード類群が28 試料(8.5%)及び穀類群が28試料(8.5%)などである.」

これに対し、50ベクレル以上が検出されたものは、
「食品群別の検出状況では,50 Bq/kg を超えて検出された試料はキノコ等が含まれる野菜・果実・加工品群において7試料(野菜・果実・加工品群に対する割合は7.0%)及びジャム・マーマレード類群において1 試料(ジャム・マーマレード類群に対する割合は3.6%)であった.また,これら以外の食品群では50 Bq/kg を超えるものはなかった.」

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キノコ・野菜・果実・これらの加工品が要注意であることがわかります。

地域別でみると、やはりチェルノブイリ原発事故で汚染されたヨーロッパ地域です。
「調査食品を原産国別に分類し,各原産国別の放射能の検出状況を表3 に示した.本年度の調査対象国は37 カ国であった.50 Bq/kg を超えて検出されたものは,フランス産の4 試料(全試料に対する検出率:約1.2%),ベルギー産の2 試料(約0.6%),イタリア産の1 試料(約0.3%)及びポーランド産の1 試料(約0.3%)であった.
50 Bq/kg を超えて検出された食品の原産国は,ヨーロッパ地域のいずれも放射能汚染を免れなかった国々であった.」

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50ベクレル以上が検出された品目については、
「放射能濃度がNaI 検出器で50 Bq/kg を超えて検出された試料の詳細を表4 に示した.50 Bq/kg を超えた試料はキノコが6 試料,ブルーベリージャムが1 試料及びブルーベリーコンポートが2 試料であった.その内訳及び放射能濃度はジロル(アンズタケ)の冷凍品が310 Bq/kg,トランペット(クロラッパタケ)の乾燥品が200 Bq/kg,シャンテレル(アンズタケの一種)の乾燥品が160 Bq/kg,ジロルの冷凍品が140 Bq/kg,ブルーベリージャムが100 Bq/kg,ブルーベリーコンポートが71 Bq/kg,ポルチーニ(ヤマドリタケ)の乾燥品が70 Bq/kg ブルーベリーコンポートが57 Bq/kg及びジロルの乾燥品が52 Bq/kg であった.」

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「50 Bq/kg を超えて検出された食品は本年度も前年度同様にキノコとブルーベリー製品で占められていた.キノコはセシウムを取り込み濃縮蓄積されることがよく知られている19-27)がブルーベリーについても高濃度汚染土壌で生育し水や肥料と共に吸収され果実に蓄積されたものと考える.」

しかも、1990年代以降、汚染された輸入食品がむしろ増えている傾向があります。その理由は不明ですが、たとえば、事故から時間がたって検査や規制がおろそかになってきたから、あるいはデフレの中で安く仕入れる必要があるから、等の理由を勘繰りたくなります。

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「ここ数年来,キノコ及びブルーベリー製品から放射能が検出されている.また,厚生労働省の輸入食品等の食品衛生法違反事例によると,ベラルーシ産のキノコで,平成20年8 月には乾燥カバノアナタケから401 Bq/kg,10 月には生鮮アンズタケから450 Bq/kg と暫定限度値を超えて検出され,食品衛生法6 条違反で積み戻し等の措置がなされている.これらのことから,今後もキノコはもとよりブルーベリー加工品についても監視を継続する必要があると考える.」

東欧のベリー類・キノコ類の汚染食品流入が増加傾向 -2011年06月15日

チェルノブイリ原発事故を由来とするセシウム137による食品汚染が、実は現在でも深刻です。
特に東欧地域のベリー類からは高濃度のセシウムが検出されています。

「果実類では、とくにベリー類の汚染値が高い。野生のものはさらに高い値となるが、栽培ブルーベリーでは九四ベクレルのものが出ている。栽培した土壌の汚染の影響が大きいと考えられるが、ブルーベリーはとくに放射能を取り込みやすい果実といえよう。」
(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」74ページ(七つ森書館)2011)

「違反件数は、1990年代に一旦減少傾向が見られたにもかかわらず、2000年以降に増加傾向が見られます。これら違反食品は、全てポルチーニ(ヤマドリタケ)、カバノアナタケ、カノシタタケ等のきのこ乾燥品又は冷凍品で、原産国はイタリア、ロシア、ウクライナ、フランス、ベラルーシ、スロベニアでした。」
との現実があります。
他のサイトへチェルノブイリからの放射性セシウム  これまでの輸入食品の放射能検査結果(愛知県衛生研究所)

「ここ数年来,キノコ及びブルーベリー製品から放射能が検出されている。また,厚生労働省の輸入食品等の食品衛生法違反事例によると,ベラルーシ産のキノコで,平成20
年8 月には乾燥カバノアナタケから401 Bq/kg,10 月には生鮮アンズタケから450 Bq/kg と暫定限度値を超えて検出され,食品衛生法6 条違反で積み戻し等の措置がなされている。」
他のサイトへ輸入食品中の放射能濃度(平成20年度)[PDF]

2008年には、東欧のベリー類から440ベクレルものセシウムが検出されたことを受けて、下記の通達が出されています。

「食安輸発0 8 2 0 第4 号
平成21年8 月20日
各検疫所長殿

医薬食品局食品安全部監視安全課
輸入食品安全対策室長
(公印省略)

ポーランド及びウクライナ産ベリー類の濃縮加工品の放射能検査の実施について

今般、輸入時の自主検査において、ポーランド及びウクライナ産ブルーベリーを原料とする原料用果汁から、暫定限度を超える放射能濃度が検知されたことから、今後、当該国を原産とするベリー類の濃縮加工品の輸入届出の30%について、放射能濃度に係る行政検査を実施するようお願いします。
なお、検査については、平成10年12月2日付け衛検第223号「旧ソ連原子力発電所事故に係る輸入食品の監視指導について」によることとします。

(参考)
1.品名:原料用果汁:BLUEBERRY JUICE CONCENTRATE
2.生産国:ポーランド
3.製造所:SVZ POLAND SP.ZO.O.
4.検査結果:放射能濃度(セシウム134及びセシウム137の合計)440 Bq/kg
5.検疫所:東京検疫所川崎検疫所支所
6.輸入者:伊藤忠商事株式会社
注)原材料のブルーベリーは、ポーランド及びウクライナ産を使用」

輸入食品の放射能検査の体制 -2011年06月15日

輸入食品の放射能検査の体制はどうなっているのか。

少し古くなるが、詳細な説明があったので抜粋いたします。
なお興味のある方は全文を読んでみると面白いかと思います。

他のサイトへ食品に関するリスクコミュニケーション(輸入食品の安全確保に関する意見交換会:さいたま市)議事録(平成18年1月13日)

食品の輸入件数について、
「全体の輸入件数が179 万1,224 件でございますが、アジア州は91万7,558 件ということで、全体の51.2%がアジアから輸入されている。アジアの中でも、約半数が中国になっております。2番目が韓国、タイという順番でございます。
次に多いのは、欧州、ヨーロッパでございますが、24.2%。欧州の中で一番多いのは、フランスでございます。
次に、北米、南米という順番になってございます。」

これに対して、検査の大半は書類審査であり、実際のモニタリング件数については、
「これは平成17年度の「モニタリング検査計画」でございます。厚生労働本省が策定
した、計画を立てた件数でございまして、総計7万7,000 件ということになっており
ます。」

そこで見つかった違反件数および違反内容について、
「この中で一番多いのは、法第11条違反で、これは成分規格違反が多いわけでござい
ますけれども、違反件数833 件、全体の66.7%ということでございます。
この中で野菜に関しては、残留農薬の残留基準違反。あるいは水産食品であれば、抗
生物質抗菌剤等の関係の成分規格違反。あるいは添加物でいいますと、対象外使用、過
量残存という違反でございます。
その他10条違反は、指定外添加物を含む違反になりますけれども、175 件、14%。
あるいは6条違反は、腐敗・変敗等の関係になりますが、例えばアフラトキシンの検
出したハトムギ、落花生、アーモンド等が含まれておりますけれども、11.7%、146 件
の違反でございました。
全体で実数1,143 件の違反でございます。」

放射能検査は手薄になっているのではないかと思います。

全国の検査体制は、
「「検疫所における現在の輸入食品監視体制」というのは、先ほどの続きになりますけ
れども、食品衛生監視員は全国で300 名。
輸入届出窓口は、北は北海道から南は沖縄まで31か所ございます。
検査する施設でございますが、精密な検査をする、あるいは高度に精密な検査をする
輸入食品・検疫検査センターというのが、横浜、神戸検疫所に設置されております。」

これは書類審査を含む人員です。

そこで、地域・品目を絞って、
「 これはフランス産の杏子茸といいますが、キノコでございます。ほのかに杏子の香りがするということで、和名は杏子茸と言われておりますが、中国では高級料理の食材に使われるという話を聞いております。チェルノブイリ原発以来の放射能検査を実施しておりますし、あるいは残留農薬の検査もしているというのが実情でございます。」

ということになります。