> 汚染食品の流通
規制値超え汚染食品も流通しているかもしれない -2011年07月09日
牛肉から最高3200ベクレル、シロメバルから最高3200ベクレル等、肉や魚のセシウム汚染が進行し、数値が高くなってきている傾向が出ています。
ただでさえ高い暫定基準値500ベクレルを数倍も上回る水準となり、いよいよ注意が必要になってきました。
検査がきちんと行われ、出荷規制が確実になされるならば、消費者からの信用はそれなりに保てるはずです。
ところが、そうとも言っていられない状況が出てきました。
被災地の農業、畜産業、漁業関係者には深くお見舞い申し上げます。しかし、一部の心ない関係者による汚染食品の流通もあるのではないかと疑わざるをえません。こうした行為によって、食品の安全性、食品流通の健全性に対する信用が失われ、安全な食品も含めた地域全体の"風評"を自ら広めてしまうことになるとは、思わないのでしょうか。

東日本大震災:県漁連組合長会、沿岸漁業再開見送り 風評被害を懸念 /福島毎日新聞2011/7/9
「先月10日の前回会合で、相馬双葉漁協から7月中旬の刺し網漁再開の要望があり、協議した。6日に発表された県などの最新のモニタリング結果で、アイナメなど3種が暫定規制値を超えていたことから、『消費者が手を出さない』などの意見が続出。相馬双葉漁協も『一日も早い再開を考えているが、時期尚早』とし、再開見送りが決まった。
水産庁や県の担当者も出席。組合長らから風評被害防止のため国の『安全宣言』を求める意見も相次いだが、水産庁、県とも『モニタリング結果を示していくことが重要』と答えるにとどめた。県漁連では、県内漁業の実態や要望を文書にまとめ、国などに提案することも検討する。野崎会長は『刺し網漁はできるだけ早く、主力の底引き網漁も8月までの休漁期が明ける9月1日を目標に再開したい』と話した。」
暫定基準値すら大きく超える検査結果が相次いでいる海域で、「安全宣言」を求めるとはどういう意図でしょうか。
アイナメ、メバルなど、暫定基準値を大きく超える検査結果が出ている魚種は、当サイトにおいてもたびたび指摘しているように、底に生息する魚です。
魚種ごと、海域ごとに、正確に数値を出せばいいことなのに、一律に「安全宣言」などを出してしまえば、ほとんどセシウム等が検出されていない魚まで、本当に大丈夫なのかどうか疑いを持ってしまう消費者も多いでしょう。
「モニタリング結果を示していくことが重要」との指摘は適切なものですが、水産庁による検査、特にストロンチウム検査はあまりにも少なすぎます。
セシウム、牛11頭すべて規制超…南相馬の農家読売新聞2011/7/9
「福島第一原子力発電所から20~30キロ圏の緊急時避難準備区域にある福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛11頭の1頭から、暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の4・6倍の放射性セシウムが検出された問題で、東京都は9日、残り10頭の肉からも、暫定規制値の6・4~3倍にあたる同セシウムが検出されたと発表した。
いずれも流通していない。一方、福島県の調査では、4月下旬以後、同区域からは2924頭の肉用牛が出荷されたことが判明。県はすでに同市に肉用牛の出荷自粛を要請したが、さらに同区域全域で飼育されている肉用牛について畜産農家に出荷自粛要請を行うかどうか、検討に入った。
同県などによると、南相馬市や田村市の一部が入る同区域では、原発事故前、精肉になる肉用牛約5700頭が飼育されていた。農林水産省は4月下旬、この区域から出荷される肉用牛全頭を対象に、県が体の表面を検査などすれば出荷を認めると指導。事故後に見合わせていた出荷が再開されていた。」
「福島県の調査では、4月下旬以後、同区域からは2924頭の肉用牛が出荷されたことが判明」、「事故後に見合わせていた出荷が再開されていた」とのことで、一部の情報では、学校給食や、ハムなどの加工に回されたのではないかとの話も出ています。
「体の表面を検査」しても、牛の内部被ばくの検査をしたことにはなりません。
体の表面は洗うこともできます。
県対応に意見560件読売新聞2011/7/9
「茶の放射能検査を巡る県の対応について、5、6月の2か月間で計564件の意見が県広報課に寄せられ、『検査基準を変えろという発想では、静岡県は信用できない』など、ほとんどが批判的な内容だったことがわかった。うち県民は約2割で、大半が県外から。国に対し、規制値見直しを繰り返し求める川勝知事の姿勢は、県外の消費者には理解されにくいようだ。」
「最も件数が多かったのは、6月3日の113件。川勝知事は前日、政府決定に反して「一番茶の荒茶検査をしない」と発表し、『飲用茶にすれば薄まるので健康に問題はない』と語っていた。この発言に対し、『徹底的に検査し、結果を公表する以外に風評被害を防ぐ手段はない』『消費者には到底受け入れられない』『生茶葉、荒茶、飲用茶それぞれの数値を公表したうえで、どの程度の茶葉とお湯で飲めば安全なのかを具体的に提示すべき』など、知事の判断に疑問を呈する意見が多かった。
次に多かったのは同18日。フランスに輸出された県産茶から規制値を上回るセシウムが検出された問題で、67件の意見が寄せられた。この時も『県の対応で、静岡県産品だけではなく日本全体の信用を失墜させた』『静岡県は自らの手で静岡茶のブランドを崩壊させた』『静岡県の茶だけでなく、日本の産業全体を守る視点で対応してほしい』などの意見が多く、『飲用茶にすればまったく問題ない』とのコメントを出した川勝知事とのギャップが際立った。」
安全な食品を流通させようという意識に、あまりにも欠けているのではないでしょうか。
このようなことでは、放射性物質が検出されなくなった後に、消費者の信用を取り戻せるのかどうか、疑問です。
水産物の産地表示は海域の表示がなければ信用できない -2011年06月27日
「デマと風評とレベル8」で引用した下記の記事が消えてしまいました。
「小名浜港、カツオの初水揚げ断念 風評恐れ」(東京新聞2011/6/21)
「福島県いわき市の『県旋網漁業協同組合』は21日、同市の小名浜港で予定していた今シーズン初めてのカツオの水揚げを、仲買人らの間で原発事故の影響による風評を懸念する声があるとして断念、千葉県の銚子港に水揚げした。
カツオは、19日に茨城県の那珂湊沖約300キロの海域で取った約17トン。
同漁協の野崎哲組合長は『小名浜港から水揚げすると『福島県産』となり、買い手がつかないと判断された。残念だ』と話した。水産庁が現在、福島県沖で取ったカツオのサンプル調査を実施、近く結論が出る予定で、野崎組合長は『安全が確認されれば、状況は変わるはず』としている。」
別の記事を見てみると、
="他のサイトへ" />カツオ水揚げ断念 原発影響で買い手付かず 小名浜港河北新報社2011/6/22
では、
「八丈島付近で操業中の酢屋商店(いわき市)の船団は今月1日に小名浜港を出港し、20日に同港にカツオを初水揚げする予定だった。震災後初の魚の水揚げになるはずだった。」
とあります。
八丈島のカツオであれば喜んで食べる人も多いのではないでしょうか?
ところが、さらに別の記事を見てみると、
カツオの初水揚げ断念 福島・小名浜港、風評恐れ産経新聞2011/6/21
「カツオは、19日に茨城県の那珂湊沖約300キロの海域で取った約17トン。」
とあります。
いったいどこの海域で獲れたカツオなのでしょうか?
同じ漁船が、八丈島から茨城県沖にかけての広い範囲で操業したのでしょうか。
それとも、複数の漁船が、上記海域のあちらこちらに散らばって、それぞれが操業したのでしょうか?
いずれにしても、魚を口にする消費者の感覚からすれば、実際に獲れた海域を産地と認識するはずです。
記事の引用で、実際に筆者が確認できたわけでもなく、断言して言及はしづらいのですが、下記の記事はさらに考えさせられます。
青森・六ヶ所村「核施設」に活断層と東京湾に流れ込む放射能汚染水(2)週刊実話2011/6/24
「漁業関係者が言う。
『今はカツオ漁が真っ盛りです。今年のカツオは豊漁で型も大きい。ところが、銚子の漁師の中には、銚子から福島沖で捕れたカツオを銚子港で水揚げするのではなく、わざわざ清水港で水揚げする連中がいるんです。福島沖で捕れた魚を清水港で水揚げすれば“清水産”となる。魚は水揚げした港が産地になるので、これは決して偽装ではありません。しかし、消費者からすればたまったものではない』」
一部の漁業関係者の感覚はマヒしていないでしょうか?
どこの漁港で水揚げしたかで産地が決まるのは明らかにおかしく、これでは水産物の産地表示の信頼性がありません。
もっとも、おかしいのはそれだけではありません。どう考えても、消費者の感覚でいえば、獲れた海域が産地であるはずなのに、なぜきちんと産地である海域の表示をしようとはせず、どこの漁港に水揚げするかを考えようとするのでしょうか。
八丈島近海産であれば、静岡県清水港で水揚げしようが、福島県いわき市で水揚げ使用が、同じことです。(陸上に水揚げした後に汚染しなければですが、それでも外側だけならば水洗いすればすむことです。)
この点について、改正JAS法に基づく
「生鮮食品品質表示基準」[PDF](改正平成20年1月31日農林水産省告示第126号)
によれば、水産物の原産地表示については、下記のように定められています。
「(ア) 国産品にあっては生産した水域の名称(以下「水域名」という。)又は地域名(主たる養殖場が属する都道府県名をいう。)を、輸入品にあっては原産国名を記載すること。ただし、水域名の記載が困難な場合にあっては、水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名をもって水域名の記載に代えることができる。
(イ)(ア)の規定にかかわらず、国産品にあっては水域名に水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名を、輸入品にあっては原産国名に水域名を併記することができる。」
生産した水域の名称(水域名)又は地域名(主たる養殖場が属する都道府県名をいう。)となっていて、あくまでも養殖以外のものについては、水域名称が産地となります。
水域名ではなく、水揚げした漁港名あるいはその県名を産地としていることがおかしいといえます。
これによって、遠く離れた他県に水揚げするようなことを仮にしていたとするならば、"風評被害"を自ら拡大再生産しているようなものといえます。
ただし書きで、「水域名の記載が困難な場合にあっては、水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名をもって水域名の記載に代えることができる」とあるように、これは例外の場合です。
そもそも、「水域名の記載が困難な場合」とはどのような場合でしょうか?
次に、他県からの水揚げを受け入れる漁協側の問題について述べます。
なお、筆者自身が事実を確認したわけではなく、「福島沖で獲れた魚を清水港で水揚げ」したということの真偽は不明です。
仮に、これが事実だった場合の問題について述べます。
農林水産業・食品産業における原子力損害の主な類型と論点について[PDF]農林水産省

たとえば、暫定基準値以上の検出がされている上図の円内の海域は別としても、福島県沖で獲れた魚を、静岡県の漁港に水揚げして、「静岡県産」としてしまうことは、これまで述べてきたとおり、可能です。
ところが、静岡県では、
福島第一原発事故を踏まえた静岡県産水産物の放射能検査について[PDF]
で、下記のように表明しています。

福島県、茨城県では暫定基準値以上のものが検出され、千葉県も含めて検査要請があったが、東京都、神奈川県では暫定基準値を超えたものがなく、静岡県には検査の要請がないから行わない、ということです。
あくまでも魚が獲れた海域を産地と認識する消費者からみれば、これでは食べていいものかどうかわかりません。
魚の個体ごとに数値も違うであろうし、魚は移動しますし、餌にする小魚も移動しますし、海流の流れもあるから、暫定基準値以上の魚が混じっていてもおかしくありません。それなのに検査すらしなくてもよい、ということになってしまうのです。
さらに、本来は安全であった静岡県の海域産の魚にまで、あらぬ疑いもかけられてしまいかねないということになります。
水域名の記載が徹底されないのであれば、「水域名表示は義務化、水揚げ漁港の表示は併記することは可能」という形に改正してもらわなければなりません。
水産庁(農林水産省)の責任が重大であるといえますが、漁業関係者自身が、上記の問題を解決しない限り、風評を呼び寄せているのだということを認識するべきだと思います。
水揚げされる水産物について、自主的にでも、海域の表示を義務付けることをすぐにも始めてもらいたいと思います。
なお、「暫定基準値」はあくまでも出荷してもよいかどうかの基準であって、暫定基準値以下であっても、どの程度の数値であれば食べるのか、食べないのかは、消費者が決めるものです。食べ物や水、外部からの被ばくなど、トータルで考えなければならないからです。
だから検査もしてもらわなければなりません。
ヨーロッパでの汚染食品の流通 -2011年06月14日
下記の地図は、1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故後、放射性物質をまき散らし、大地を汚染した放射能雲が、どのように移動していったかを示すものです。
最初はヨーロッパに広範囲に、そして日本を含むアジア地域にまで移動していったことがわかります。

(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」37ページ(七つ森書館)2011)
これによってヨーロッパのほぼ全域の大地が、当初はヨウ素、そして長期的にセシウムによって汚染されました。
下記の地図、ヨーロッパの土壌表面のセシウムの汚染濃度です。1平方メートルあたり5000ベクレルから15000ベクレル以上の高濃度汚染地域が広いのに驚きます。

(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」40ページ(七つ森書館)2011)
これによって、ヨーロッパ各地が汚染され、食品への影響が顕著に出ました。これらの一部は日本にも輸入されています。

(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」74ページ(七つ森書館)2011)

(高木仁三郎・渡辺美紀子「新版・食卓にあがった放射能」55ページ(七つ森書館)2011)
日本への汚染食品の流入 -2011年06月06日
福島第一原発の事故で、広い範囲で日本の農地や海が汚染されつつあるため、海外からの輸入食品が安全であるということさえ言われはじめました。
もっとも、日本では食料輸入にかなりの部分を頼っていて、特に今回の事故で野菜等の不足が懸念される状況ですから、ある程度輸入に頼るのはやむをえないことです。
ただし、本来であれば、日常の食品を何もかも、お金さえ払えば海外から調達できるということだけでは、輸送にかかるエネルギーの無駄になりますし、食料自給の維持の面からも好ましいこととはいえません。
ともあれ、食品の安全性についてです。
この点は放射性物質のみならず、農薬、ポストハーベスト(収穫後・輸送中の腐敗等を防ぐための薬剤散布)などの問題からも、海外のものだから安全といいきれるものではありません。
比較的安全な地域のものであれば、日本国内の食品を選んだほうがいいかとも思います。
放射性物質に関して述べますと、小麦などの穀倉地帯であるロシア、東欧から、ヨーロッパ全体にかけて、チェルノブイリ由来の放射性物質(セシウムなど)が飛散し、土壌に蓄積されました。半減期が長いため、事故から25年が経過してもせいぜい半減、さらに植物や動物の種類によっては濃縮の度合いが高いものもあります。
下の図はチェルノブイリ原発事故の放射性物質による汚染地図です。

http://chornobyl.in.ua/img/map/map_02.jpg
当時、日本では輸入食品中の放射性物質の規制値が370ベクレルで、今回の福島での事故後にヨウ素2000ベクレル、セシウム500ベクレルに暫定基準値が引き上げられました。
それでも税関での放射能検査を受ける食品はごく一部で、下記のように税関で基準値を超えていたために返送した食品もありますが、かなり日本国内にも流通してしまったと考えられます。


現在、福島第一原発の事故による放射能検査に追われているため、輸入食品の検査が手薄になっている懸念があります。
上記の他、南太平洋や、インド、中国、アメリカなどの核実験、シベリアでの各汚染事故、アメリカのスリーマイル原発事故、イギリスのセラフィールド原発事故など、放射性物質を放出した事例が多数あります。
汚染食品の流通 -2011年05月30日
「そういうわけで、ヨーロッパ全土はつい先日まで、特にみなさんにはあまり知らされていないと思いますが、野菜を正常な状態で食べられない事態が続いてきました。いや、それが現在は終ったわけでもなく、深刻な事態が続いていますので、一九八九年まで日を追って見てゆきましょう。まず事故直後の一九八六年五月、西ドイツでは葉物野菜の出荷停止。オランダではホウレン草。イタリアでは生野菜の販売禁止。フランスではホウレン草が禁止。あるいはオーストリーでレタス、キャベツ、カリフラワー、大豆、えんどう、トマトなど。要するにすべての野菜が毒物をかぶったわけですから、葉を食べられません。さらに植物が根から死の灰を吸い上げてしまうので、果実の部分も食べられません。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 142ページ)

(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 145ページ)
「私たち日本人が、今何を食べているか、ですね。それはそうでしょう。ヨーロッパ各国の政府がゴミ捨て場を仮設してくれたが、そんな場所は野ざらしで、何の処分にもならないことを知ってあきらめたわけです。文字通りヨーロッパ全土の土が汚染しましたから、表土をすべて取らなければならない。これは不可能ですね。ただでさえ原子力発電所が生み出す廃棄物のドラム缶、あの黄色い缶が増え続けてどうしようかと頭を抱えているのに、ヨーロッパの表土がすべて廃棄物に代わってしまったのですから、これを削り取れば大変な量です。あきらめて安全宣言を出し、政府と農家が奇妙なところで合意に達した。両者とも弱りきって、今日明日にもバタバタと人が死ぬわけではないから、暗黙の了解が成立してしまった。その畑へ、次の種がまかれたのです。しばらく経てば、間違いなくその土から収穫して、今度は出荷するという事態を招きました。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 145-146ページ)
「次の段階として、予想したように二カ月後くらいから、魚の汚染がはじまりました。川や湖に放射性物質が少しずつ流れ込んでゆき、スウェーデンで魚の汚染が報じられましたが、これもセシウムです。その後、一九八九年に至っても汚染はますます広い範囲に進行しています。ですから動物を見ていると、鳥、魚、あるいは羊、ヤギ、鹿、ウサギ、牛というように、あらゆる動物の肉にセシウムが入りました。これはみな食用の肉ですから、人間が口に入れれば筋肉に侵入して、半減期が三〇年もありますから、かなり高い確率で肉腫を起こす運命にあります。それで政府が、食用禁止に踏み切ったわけです。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 148ページ)

(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 143ページ)
「あるいは日本の輸入食料は九割以上の大部分がノーチェックで、書類審査だけで国内に流れこんでいますが、これは放射能に限らず、あらゆる食品添加物について言えることです。たとえば厚生省の横浜検疫所では、検査する人がわずか七人。全国でも食品衛生監視員が七五人しかいないというのが、一九八八年現在の数字です。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 156ページ)

(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 209ページ)
「またソ連では、野菜の産地直送が大変な人気を呼んでいるという記事も出ました。原発事故とまったく関係のないニュースとして書かれているが、実はどちらも簡単に説明のつく話ではありません。
小麦が大収穫と発表しながら、それを輸出に回し、自分たちは輸入小麦を食べる可能性が一番高い。なにしろ一帯では、高さ一メートルの巨大なキノコが発生したり、モミの木が真っ赤に枯れている状況です。小麦だけが大丈夫なはずはないでしょう。
産直に人気が集まるのは、ソ連の人がうすうす気づいているからですよ。最近、ソ連の住民が原発建設を中止させたニュースが相次いでいますが、この状況は、よほどの以上が起こっていることを教えています。明らかに、ソ連の人が食べ物を選んでいる、ウクライナから来たものかどうか知りたい、という厳しい食糧事情を反映している。安全地帯から野菜を選んでいる証拠です。しかしそれを表に出したくないため、ソ連が国をあげて演技してきたわけです。」
(広瀬隆・著「新版 危険な話」(新潮文庫)平成元年 199-201ページ)
